2012年1月14日土曜日

「震災復興講演会 ~がれき受け入れの意義と問題点」のお知らせ

イベントの告知がまわってきたので、お知らせしておきます。

震災復興講演会~がれき受け入れの意義と問題点

1月21日13時30分から16時まで、兵庫県三田市フラワータウン市民センターホールで講演会会が開催されます。フラワータウン市民センターは、神戸電鉄フラワータウン駅を降りてすぐです。http://www.city.sanda.lg.jp/community/flowertown.html

 

講師

元京都大学理学部教授(理論物 物理学)山田耕作先生
元京都薬科大学教授(分子細胞 生物学) 大和田幸嗣先生

内容


1.放射性物質で汚染されたがれき処理の意義と問題点
「第二のフクシマ」を起こさない ために
がれき付着の放射性物質が受け 入れ地区に与えるだろう汚染
(希釈拡散の問題として)につ いて
2 .チェルノブイリ原発事故25年の 健康被害の実態から学ぶ
がれきに付着してくる放射性物 質が地域住民へ与える健康被害 の可能性(放射線被害の危険性 )について
3.質疑応答

主催は「未来工房」です。

ご興味あるかた、ふるってのご参加をよろしくお願いします。

2012年1月4日水曜日

内面の豊かさと経済システム ①               ―「経済と生の対立」について―

 

日本の経済成長が20年以上停滞している状況の中で、内面的・精神的な豊かさを人生の基本的な価値観とする人が、とりわけ若い世代に少しずつ潜在的に増えてきている。僕にはそんな印象があります。これは、LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)として名指されるクラスタであると言ってもいいと思います(名指される当人たちの中には、商業的に利用されてきているこのネーミングを拒絶する人も多いでしょうが、他に適切な言葉が思いつかないので、さしあたりこの名前で呼ぶことにします)。

そして、こうした傾向は今後、より一層強くなってきて、社会の表層にあらわれてくるだろうと予想されます。というのは、福島第一原発の事故によって、従来の権力構造とそれを支えてきた価値観が大きく揺るがされる中で、必然的に多くの人が生命や生活というものを見つめなおしつつあるからです。

こうしたムーブメントは個人的には喜ぶべきことだと考えています。それはおそらく、僕自身が、大きくわけるとそのクラスタに属しているからでしょう。僕自身は美味しいもの、美しい音楽を至上の喜びと感じる官能主義者ですし、生活全体を芸術化したいという欲望もあります(実現には程遠いですが。てかまず部屋を掃除しろよw)。

ただ率直に言うと、そうした方向性を向いている人たちが口にしているイデオロギーに対して、僕は少し違和感と、もっといえば危惧を感じています。彼らは、「経済よりも生活・命が大切だ」「経済成長という神話を捨てて、内面を充実させるべきだ」と主張することが多いからです。すなわち、経済と内面の豊かさとを対立項ととらえており、経済を否定することによって精神を充実させる―とまでは言わないけれど、精神的豊かさを追求することは経済システムの廃棄・否定に繋がる、と考えている節があるからです。そうした考えの背後には、経済というものに対する無理解と、もっと言えば侮蔑があると思います。